洗濯は乾かすだけ?
住まいのプランニングにあたり、洗濯物の干す、取り込みのしやすさに配慮して間取りを考える人は少ないかもしれません。
室内はリビングや子供部屋、庭はガーデニングやウッドデッキにばかり気を取られてしまい、洗濯のことなどまったく考えていない人も少なくありません。
洗濯機置場を確保すればそれで終わり、となってしまうこともあるでしょう。
しかし、洗濯はほとんどのご家庭で毎日の家事です。
乾燥機しか使わない、というご家庭以外では、洗濯物を干すスペースの日当たりや目隠しについても充分配慮したプランニングをしたいものです。
最近は、外からの視線を気にしなくて済む乾燥機が大人気です。
時間のないママには心強い味方でしょう。
しかし、毎日乾燥機を使うのは経済的ではありません。
いくら優秀な省エネ家電が次々と出ているとはいえ、日光による自然乾燥には敵わないでしょう。
干す、取り込みのしやすさを考えると、必然的に洗濯機置場の近くということになります。
洗濯機から遠いほど干すのも取り込むのも大変です。
1階に洗濯機、2階のバルコニーに干すスペース、という設計にしてしまうと、何度も階段で往復しなければなりません。
濡れた洗濯物は重いですし、乾いた洗濯物はボリュームが出て視界を遮り、危険です。
ホームエレベーターを設置する予定でもない限り、洗濯機と干しスペースのフロアは同じにするのが基本です。
1階に洗濯機置場があるなら、そこから直接出られる裏庭に設置するのも良いでしょう。
しかし、北向きなどで日当たりが悪い場合は、ウッドデッキに干すスペースを確保すると便利です。
目隠しは植栽や屋根で対応することができます。
2階に洗濯機置場も含めて水まわりを持ってくる場合は、2階のバルコニーに庇をつくって干しスペースにすると便利です。
庇があれば多少の雨風でも濡れずに済む上、さらに上階からの目隠しにもなります。
間取りのプランニングの段階ではこうした点に配慮しますが、実際に暮らしを考えると、仕舞いやすさにも配慮するのが理想的です。
2階で干し、2階で取り込んだ洗濯物のほとんどを1階に仕舞うとなると、階段の上り下りが必要になり、洗濯機置場と干しスペースのフロアが違うのと同じことになります。
洗濯は乾かすだけなら簡単です。
室内に干しても良いですし、時間がかかっても良ければ北向きに干しても乾くでしょう。
しかし、乾けば良いというものではありません。
洗って干して取り込んで仕舞う、一連の仕事をしやすい設計が求められます。
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